H24.7.15
「分断県道シリーズ第一弾」
起点:奈良県天理市福住町(奈良県道186号福住矢田原線交点)
終点:奈良県大和郡山市上三橋町(上三橋交差点・奈良県道754号木津横田線交点)
今回は、奈良県道界の異端児といっても過言ではない険道をレポートしてゆきたいと思います。
県道は基本的に全線開通しているのが当然なんですが、ごく稀に規制や期間通行止ではなくて、完全に「通行不可」になっているところがあります。今回お送りする県道が、まさにこれに該当し途中に通行不可の「廃道区間」があります。俗に云う、分断県道ってやつですが、山間部を跨ぐ道には珍しくなかったりしますね(笑)
需要が発生しない限り、通行不可区間は放置されるかと思われます。
調査にあたっては、基本的にwikiとGooglemapを活用していたのですが、調査後に「奈良県道路網図」(奈良県土木部道路建設課が発行している5万分の1地形図で、車線ごとに色分けされていて、県の道路網が詳しく記載されています。県政情報センターで購入可能、価格はなんと120円です。険道マニアには垂涎の
wikiによると、この奈良県道187号福住上三橋線の起点は、奈良県天理市福住町東部別所送水ポンプ場あたりとなっているのですが、奈良県道路網図によると正確な起点はポンプ場あたりではなく、ポンプ場から少し進んだところにある分岐(r186号交点)がどうやら起点になるようです。(後述)
勿論、分岐にはr187号を示す標識がないみたいですので、wikiを編集された方が手前にあるポンプ場周辺、を起点としたのだと思われます。
それと、ゼンリン提供のGooglemapに起点側の分岐路が県道指定されていませんので、余計に複雑になっています。
文章の表現だけだと解りにくいと思いますので、地図をご覧下さい。
※余談ですが、起点の正確性に不安がありましたので、奈良県土木部道路管理課に問い合わせたところ、やはり起点はr186号交点になるそうです。ポンプ場あたり、というのは誤りみたいです。道路管理課の方、お忙しい中回答誠に有難う御座いました。
少々見辛いと思いますが、ちと加工しましたので解説を。
薄い黄色線はGooglemapによる県道指定、オレンジ線は名阪国道(R25号)です。黒線は奈良県道路網図による県道指定、黒点線は通行不可区間、★は県道端点、★は後述します。
ご覧の通り、Googlemap上だと終点側からは名阪のガード下を潜ったところまでが、県道指定(薄黄色線)されています。道路網図だと、そこから伸びる黒線(自分で加工したものですが)を経て★までが県道指定(端点)ですね。
一方、起点側からは福住町からr186号を経て川沿いを走っていくとポンプ場があるはずなので、そこから少し進んだところに起点となる分岐が現れます。これまた、Googlemap上では県道指定されておりません。上に同じく起点から★までが道路網図による県道指定です。
誠に恥ずかしいのですが、調査当日にちょっとしたアクシデントがありまして★1から★までと
起点側、r186号から★の調査が未だにできていないので、今回のレポートは終点側から名阪ガード下周辺までとなります。
アクシデントといいますのは、★1辺りで撮影用の携帯電話の電池が急に切れてしまって撮影できなくなってしまったんです(泣)
画像はありませんが、終点側の端点までは一応行きましたので、文字だけでもレポートいたします。
終点側の調査はもう恐らく行いませんが、起点側は涼しくなった秋頃を目処に調査予定です。
ただ、他の方のレポート記事を拝見する限り、やはり全線開通の見込みはありませんね…(笑)
平成24年度4月現在の道路網図でも、未だに分断されたままです…
さて、前置が長くなりましたが、レポートの方へ移ります。
終点側から、上三橋交差点・奈良県道754号木津横田線交点にやって参りました。
r745号のヘキサが堂々と屹立しております。
かなり早朝に調査したので、交通量は少ないです。
この案内標識、最近増えてきましたね。通称、卒塔婆(そとば)。正式名称は都道府県番号。
おにぎりやヘキサに方向と道の種類を加えたもので、赤色が国道、オレンジ色が一般都道府県道、緑色が主要地方道を表します。
これだと、奈良県道754号木津横田線が一般県道、奈良県道51号天理環状線が主要地方道になりますね。
ちなみに、ここにr187号を示す案内標識が無いのは、この上三橋交差点から先の窪之庄交差点までr51号と重複しているからです。
そのまま上三橋交差点を直進。
センターラインはありませんが、一応二車線道路なので走り易そうです。
おっと…
急に幅員が狭くなりました。
完全に生活道路と化していますね…
皆さん、そとばの色を覚えておいででしょうか(笑)
ここは
1.5車線くらいでしょうか。
結構狭いです。
主要地方道扱いの県道とはとても思えませんね…
単なる市道にしか見えません。
この辺りの十字路(交差点)にはアスファルトに赤い塗装が施されているところが結構ありました。
そして、田舎によくある一灯点滅式信号機の登場!
先の幅員もかなり狭そうです。
春日神社というそうです。春日大社の傘下かな?
お隣には隆興寺というお寺もあります。
寺社を通過すると、小さめの跨線道路橋へ出ます。
JR万葉まほろば線(桜井線)です。
向こうに、うっすらと帯解駅の姿が見えますね。
出ました、赤い舗装です。
おそらく、通行者に交差点であることを強調するための舗装っぽいですね。
赤い交差点群をいくつか越えていると、またしても神社が!
八坂神社です。流石に参拝者の姿はありませんでした…
さて、T字路です。考えるまでもありませんね。
車幅が広い左に決まっています。
あれ…何かおかしいですね…
そとばもヘキサも無いです。
窪之庄交差点からはr51号との重複を終えるので、接続の証として標識類があるはずなのですが…
妙な胸騒ぎを感じ、地図を見ると…なんと、この交差点は下山町交差点となっています。
あ、絶対あのインチキT字路の所為でミスコースした、と気付き慌てて引き返しました(笑)
なんで
先程の八坂神社付近の
こちらが、r51号本線です。付近の住民の方、まさか家の前のこの細い道が天下の主要地方道だとご存知なのでしょうか…
私は地図を見ながら調査しない人間なので、ああいうミスコースは結構よくあります(笑)
所々、立ち止まって地図で確認してしまうタイプです。
しかし、あのT字路は酷いですね。奈良県道路公社も遂に見捨てましたか…
前回と同じくまたしても紫陽花が。
主要地方道の風格がまるでありませんね…
生活道路にしか見えません。
存在感の薄い
わかりづらいですが、奥に赤色のそとば(国道169号)と緑色(r51号)とオレンジ色(r187号)のそとばがありますね。何気に、そとば大集合しちゃってます(笑)
R169号、時間帯もあってか車が走っておりません。
この先、約500mくらいのところにある窪之庄南交差点も本交差点同様にr51号からr187号へと接続しています。
r187号へとアクセスする方法はこのように2通りありますが、あちらのr187号は二車線の綺麗な道路となっています。
最終的には、両路線ともに合流し一本になりますが、私はこちらのルートの方が楽しそうなのでこっちを選びました(笑)
車で探訪される方はあちらのルートの方が楽かもしれません。
窪之庄交差点を進んでいきます。
先程のr51号と余りかわりませんね。
完全に町道です。
若干狭いですね。
トラック一台が来れば離合が困難になりそうです…
奥に見える鳥居、八坂神社です。
あれ、八坂神社ってさっきもあったような…同名神社が多いですね。
暫く進む内に、右手に溜池が現れます。
この辺りは田畑が多いので、農業用池みたいですね。
この先の緩やかなS字カーブを曲がっていきます。
田んぼの緑が映えた風景が心地良いです。
しかし、日本の田舎風景に突如洋式の御宅が出現!
最近引っ越されてきたんでしょうかね。
暫く道なりに進むと十字路にでます。
前述していた、もうひとつの、綺麗なr187号です。
直進すると、中之庄町へ、右折すると窪之庄南交差点へ戻ります。
てな訳で左折します。
めちゃくちゃ綺麗な一般県道r187号へ変貌致しました。
センターライン付きの完全二車線。
しかし、安堵するのも束の間、この先県道が分断されていようとは…
恐らく初ヘキサの登場です。
窪之庄南交差点ルートだと、ひょっとしたらr51号との接続点にヘキサがあるかもしれません。
左手には奈良東病院があります。
青看出現。
しかし、結構不親切な青看だったりします(笑)
この先、二手に分かれて居ますが、どちらもr187号に指定されています。
むしろ、右からのルートだと綺麗な二車線道路の儘快走できますが、虚空蔵町のT字路で左折しないと五ヶ谷I.C.に行けません。 県道指定もそこまでです。
そのT字路は、これから直進する方のr187号と接続しています。
序盤と同じく、路線が分岐しますが結局は一本化しますね。
さて、県も余りお奨めしないルート、「幅員狭小区間」や「通学路」があるからかもしれません。
青看から少し行ったところです。
右が広いr187号、左が狭いr187号へと続きます。
勿論、右へ進路を取ります。
はい(笑)
そりゃあ途中で途切れたとしてもあちらを推奨する訳ですね。
一気に狭くなりました…
1.5車線くらいでしょうかね。
軽だと離合できそうですが、乗用車になるとある程度スキルを求められそうです。
少し進むと分岐が現れます。
青看通り、直進すると菩堤山町や正歴寺に、右に行くと名阪に。
r187号も右へ分岐しますので、右へ。
そういえば、ここに大きな時計台がありました。
直で飲水できるかは解りませんが、綺麗な小川がありました。
都会では見れませんね、こういう生物が住みやすい小川。
ここからは暫くの間、広い道が続きます。
向こうに見える道は、先程の青看にあったもう一つのr187号です。
時折、車が快走していました。
この辺りから再び幅員が狭くなります。
高桶町周辺です。簡易郵便局など、必要最低限の施設がありました。
近くに弘仁寺というお寺があり、その参道になっている分岐があります。
こういう山間部の集落だと、車は必須アイテムなんでしょうな…
お、奥に青看が見えてきました。
右に行くと、前述していた虚空蔵町のT字路に出ます。
更にそのT字路を右に進む(右奥に見える道)と、天理東I.C.に向かいます。
r187号は左方向なので、左に。
五ヶ谷I.C.向かう車両は、左方向に行かないといけませんね。
上の画像の地点を少し行ったところ。
右は、虚空蔵町のT字路に出ます。
漸くヘキサが出現しました…やはり重要な分岐点ですので設置されていますね。
これから先、r187号は一本道になります。
ここ、一応通学路なんですよね(笑)
にしても、狭くなってきました。
右には学校施設があるため、石垣がしばらく続きます。
奈良市立精華小学校前です。
某M崎映画のア◯エッティさんも出迎えて呉れました。
そういえば、小学校周辺に入ってから、交通注意を促す看板にやたらと版権キャラクターが使われていました。
精華小から先、興隆寺町までは人家も減って、殺風景な道路に。
というか、いつのまにかセンターライン付き二車線道路が発生しています!
と思ったら、険道恒例の「センターライン消失」&「幅員減少」です(笑)
立ち止まって撮影した筈なんですが、やけにスピード感のある写真が撮れました(笑)
この辺りから次第に緑も濃くなってきます。
警戒標識ではなく、工事現場によくある簡易看板です。
標識が要らないほど危険ではないのか、はたまた標識立てるのが面倒だったのか…
ある程度の車幅は確保されていますが、やはり県道の威厳はありませんね…
所々、樹木が道を蔽って居ます。
簡易青看出現です。
この青看、さらっとネタバレしちゃってますね(笑)
あの後、またしてもセンターライン付き二車線道路に変化するのですが、途中でこの分岐にぶつかります。上の画像の予告看板から100m先ですね。
右に行けば五ヶ谷I.C.です。
これで、r187号は役目を終えました…じゃなくて、これより先集落は中畑町しかありませんので、住民の方にしか需要はありません。
逆にいえば、中畑町からはこのr187号を使うか名阪を使うかしないと市内には出られません…改めて車の重要性が解りますね。
米谷町経由で奈良県道192号福住横田線(険道です)に出るという方法もあるといえばあるんですがね…
車の方は間違いなく名阪で市内へ向かわれると思います。
ただ、r187号の方は交通量が殆ど皆無なので、奈良市内にいくならこちらの方が早いかもしれません。名阪も天理より先は西名阪自動車道(有料)になりますので。
あの分岐から道なりに緩やかな坂道を登っていくと、名阪の高架橋があります。
中畑橋です。
この辺に来ると辺りを見渡しても山しかありません。
空気はとても澄んで居て気持ちいいのですが、名阪を走る車両の走行音が聞こえますので、なんだか不思議な気分になりますね。
漸く人家が見えてきました。
中畑町まですぐそばです。
T字路です。右に行けば、中畑町や米谷町へ続く道に出ます。
勿論、r187号は左をいきます。
あの奥に見える自治体ハンドメイドの看板には、r187号方面「行き止まり」と書いてあったような気がします。
結構な急勾配をグングン登っていきます。
登ってきたところ振り返るとこんな感じに。
うっすらと先程のT字路が見えます。
まだまだ登ります。
すると…
これです(笑)
この先もいくつか同じ看板が立っています。
どう足掻いても「行き止まり」のようですね…
心なしか道が森に吸収されている様な…
成程、これは先の状態の前兆ですか!(違)
冒頭で少し話しました、名阪ガード下です。
真下だと走行音が結構煩いですね。
名阪ガード下を潜ってきて振り返ったところがこちら。
ここから三方向に分岐していますが、r187号はカーブミラーがある左方向(終点側から向かって右方向)です。
Googlemapや市販の地図だとこの辺りがr187号端点になっていますが、道路網図によると左方向にまだ続きます。(冒頭の地図参照)
ちなみに、r187号本線以外の二方向はどうなっているかと云いますと…
まずはガード下から直進した場合。★3の地点へ向ってみます。
結論からいって、r187号本線よりも広くて綺麗な道が続きます(笑)
というか、こっちを県道指定した方が良いのでは…
暫く進むと行き止まりに。★3地点です。
奥を見る限り、まだまだ舗装路が続いて居そうですねえ。
こっちを県道指定・拡張整備して、r186号と接続したほうが距離的にも近いと思うのは私だけでしょうか(笑)
続いて、★4地点へ向います。
先程の三方向分岐の左方向(分岐の画像だと右方向)へ向かいます。
小さい畑がありました。完全に個人の農道と化しております。
途中から0.7車線くらいになりますので、通行の際は農家の方の邪魔にならないようにお気をつけて下さい。
にしても狭い!まあ…ここは県道じゃありませんし狭くても構いませんが(笑)
先の農道を進むと名阪と併走する形で道が続きます。
途中、ドライバーの方と目が合いましたが、とても怪訝な表情をされておりました(笑)
そのまま行くと、「ヘアピンカーブ」になっていて、そこを下るとこのようにガード下に出ます。
★4地点です。云うまでもありませんが、この先車両の通行はとても無理です…
そして最後、終点側の端点★に向かいます。
お馴染、先の分岐から右に行きます。(振り返った分岐画像からだと左方向)
カーブミラーが目印、こちらからは道路網図による県道指定です。
なんというか…最早県道に見えませんね(笑)
他の地図がこの分岐周辺までを県道指定にしているのが正解な様な気が…
しかし、県発行の地図ではこの先までr187号は続きます(笑)
緩やかな坂を登っていきます。
舗装がアスファルトではなくて、コンクリートだけになってます…
完全にやる気ありませんね、奈良県道路公社(笑)
★4地点同様に名阪と併走する道に出ます。
ただ、路面状況はかなり悪く落葉や枝が散乱し、所々路面に苔が生えてたりします…
県民の大多数が通らない県道ですが、雨の日は通らない方が懸命ですね…
晴れていたとしても、地面が湿っぽくて滑りやすいです。
これで最後の写真になりますが…
吹きそうになりましたね、いや吹きましたね(笑)
廃道に近いです。コンクリートが泥に覆われて非常に滑りやすくなっていました。
一般県道とはいえ、ここまでとは…この辺が丁度★1になります。
これから先、撮影ができなくなってしまった(冒頭参照)ので、後は文章だけでお楽しみ下さい(笑)
この廃道もどきの道を暫く進むと、路面の状態は改善されてまたまた名阪を沿う形に戻ります。
そして、分岐に出ます。右に名阪をオーバークロスする橋(その先は中畑町に続いています)、直進して坂を登ると、端点★に向かいますが…
ある程度は舗装されていますが、かなりの「狭小路」で、次第に車両では通行不可な獣道になります。
あくまで車両が通行不可なだけで、ある程度重装備の徒歩でいけば抜けられるかもしれませんね…
地図上だと、ここから七回峠を経由してr186号に抜けるルートがありますが、私はそこまで行かなかった(行けなかった)ので、現在の状況はお伝えできません、悪しからず。
ちなみに、道路網図によると端点からは拡張事業中と記載されております。
しかしながら拡張する気無いでしょうね… (笑)
需要が増えれば全線開通も見込めますが、このr187号は実質五ヶ谷I.C.までの抜け道と中畑町までの生活道路扱いなので、中畑町から先、整備されるとは思えません…
感想:
末端、端点付近は酷いです(笑)
名阪ガード下からはとても県道指定されているとは思えませんね…
謎の電池切れにより起点側を調査できませんでしたが、また秋口に奈良県道192号福住横田線の調査ついでに訪れたいと思います(笑)